2019/01/29

【外務省】日本海呼称問題 平成29年6月7日

我が国の基本的考え方

  日本海は、日本海に対する国際的に確立した唯一の呼称です。我が国は、日本海の呼称に対する根拠のない主張に断固反駁するとともに、日本海の単一呼称を引き続き確保していくため、国際社会に対し、本件問題に対する正しい理解と我が国への支持を求めてきています。このようなわが国の主張は、国際社会において、国連をはじめとする多くの国際機関によって認められています。



竹島及び日本海呼称に関する情報提供について

竹島又は日本海呼称に関し、我が国の立場に相反する地図、刊行物等を発見された方は、下記まで御連絡ください。

(メールアドレス)
tsuhou@mofa.go.jp



1. 日本海呼称問題の概要
  日本海は、アジア大陸北東に位置し、日本列島及びサハリンによって北太平洋から切り離されている海域です。

  歴史的にみれば、この「日本海」の呼称は、18世紀の終わりから19世紀の初めにかけてヨーロッパにおいてまず確立したものであり、その後、約200年にわたって安定的に使用されています。また、大洋から分離された海域の命名方式には海域を隔離する主要な列島弧や半島の名にちなむものが多いと言えます。「日本海」という呼称も、この海域が存立するのに不可欠な「日本列島」によって北太平洋から切り離されている」という地理的形状に着目したものであり、こうした地理的特性の故に、広く一般に受け入れられるようになったものだと考えられます。さらに、現在では、韓国及び北朝鮮を除く世界の主要各国の地図の97%以上が「日本海」という呼称のみを使用しており、広く国際的に定着しています。

  しかし、1992年の第6回国連地名標準化会議において、韓国及び北朝鮮は「日本海」の呼称変更を突然提起し、その後も国連の関連会議や国際水路機関(IHO)の会合などの国際会議において、この問題を再三提起しています。その具体的主張は「日本海」の呼称が一般的になったのは、20世紀初頭における日本の拡張主義・植民地主義の結果であるから、当該海域の名称を韓国及び北朝鮮が使用する「東海」に改称すべき、あるいは「東海」と「日本海」の併称とすべきであるというものです。しかし、この韓国及び北朝鮮の主張は、根拠のないものであり、これを押し通すには大きな無理があります。



2. 根拠のない韓国の主張
(2) この異議は根拠のない主張です。

ア. 韓国側の主張:「日本海の名称は日本の拡張主義や植民地支配の結果広められてきた。」

  日本政府の古地図調査の結果、既に19世紀初頭には日本海の呼称が他を圧倒して使われるようになった事実が確認されています。この時期の日本はいまだ鎖国政策をとっており、このような日本海の名称確立に何らかの影響力を行使したということはありません。したがって19世紀後半の「日本の拡張主義や植民地支配」によって日本海の名称が広がった、との韓国側の主張は全く妥当性がありません。また、最近では、2. (3)で述べるとおり、韓国政府も、「日本海の名称が日本の拡張主義や植民地支配の結果広められたものではない」ことを認めたと評価できる調査結果を発表しています。

ウ. 韓国側の主張:「日本海と『東海』の併記を勧告する国連及びIHOの決議がある。」

  韓国は、日本海と「東海」との併記を勧告する国連及びIHOの決議があると主張しています。

  しかし、国連地名標準化会議決議III/20及びIHO技術決議A.4.2.6は、湾や海峡など2つ以上の国の主権下にある地形を想定したものであり、日本海のような公海には適用がありません。このことは、「太平洋」や「大西洋」に接している国の一か国でも異議を唱えたら複数の名称が併記されることとなれば、収拾がつかなくなることを考えれば当然のことです。

  また、4.で述べるとおり、国連は、国連公式文書では標準的な地名として日本海が使用されなければならないとの方針をとっていることが公式に確認されており、IHOが出版している「大洋と海の境界」(S-23)でも、当該海域について日本海の単独表記が明示されていることからも、日本海と「東海」の併記を勧告する国連及びIHOの決議が存在しないことは明らかです。

(3) 最近では韓国政府も自らの主張の一部を撤回したと評価できる調査結果を発表しました。

  韓国建設交通部(現:国土海洋部)国土地理情報院という政府機関が2007年11月に発表した古地図調査(日本の仮訳)(PDF)は、従来からの韓国側の調査と同様の問題点(2. (2)エ)はありますが、「19世紀(1830年~)以後、日本海表記が急増するようになった」との記述があり、注目されます。この調査結果は韓国政府が2. (2)アにあるとおり、少なくとも、「日本海の名称が日本の拡張主義や植民地政策」よりもずっと前から広まっていたことを認めたものと評価できます。



3. 日本の反論
我が国はこれらの主張に対し、断固反論を行っています。

  我が国としても、韓国等が自国国内で「東海」の名称を用いることに反対しているわけではありません。しかし、国際社会が現に使用してきている日本海の名称を、「東海」に変更させようとする動きは、国際的な海上交通の安全面にも影響を及ぼしかねない混乱を生じさせるため、認めることはできません。日本海は国際的に確立した唯一の呼称であり、何ら争うべき余地はありません。国連地名標準化会議(UNCSGN)、国際水路機関(IHO)などの国際会議の場において、韓国等がこれらの主張を行った場合には、我が国としては断固反駁しています。

(2)国際水路機関(IHO)での取り組み
2 「大洋と海の境界」について
(1)「大洋と海の境界」
  各国の水路機関による海図作製の便宜を図る目的で,IHOが海洋の境界と名称を示すガイドラインとして編纂している図誌。

(2)日本海呼称
  「大洋と海の境界」は1929年の初版から現行版(1953年作成)に至るまで,一貫して国際的に確立された唯一の名称として日本海呼称を使用。

  韓国は,1990年代以降,各国の政府・市販の地図や国際機関の地図において,「日本海」を「東海」と改称するか,「東海」と「日本海」を併記すべきと主張してきており,1997年以降,IHOの場でも同様の主張を継続してきている。

4 これまでの経緯と我が国の対応について
  韓国は日本海呼称について問題提起を行ってきているが,「大洋と海の境界」における日本海呼称の単独表記は変更されていない。その間,我が国は,日本海は国際的・歴史的に確立された唯一の名称であり,日本海単独表記を変更する必要性も根拠もないとの基本的立場を一貫して主張してきている。



4. 国連・米国も日本海を使用
国連も米国政府も日本海呼称を正式に使用しています。

日本海呼称に係る国連の方針について

  2004年3月、国連は、「日本海」が標準的な地名であり、国連公式文書では標準的な地名として「日本海」が使用されなければならないとの方針を確認した。

1.日本政府より国連本部事務局に照会していたところ、2004年3月10日、国連は、「日本海」が標準的な地名であり、国連公式文書では標準的な地名として「日本海」が使用されなければならないとの方針である旨公式に回答した。「日本海」呼称は、日韓両国を含む192カ国が加盟する最も普遍的で中立的な国際機関であり、国際社会の総意を具現する場である国連においても公認されていることが改めて確認された。

2.地名について争いがある場合には、それぞれが主張する地名を併記することが公平であるとの誤った議論があるが、これについても、国連事務局は、併記することは従来の国連の慣行を破ることであり中立ではなくなる、むしろ中立・公平であろうとすれば、従来の慣行を維持することであると説明の上、従来からの慣行である「日本海」単独呼称を維持する方針を明確にしている。

3.国連の方針が直ちに他の国際機関等を拘束するものではないが、様々な国際機関を含む国際社会が、国連の方針を尊重することが期待される。

日本海呼称に係る米国政府の方針について

1.米国地名委員会(U.S. Board on Geographic Names)は、米国政府が使用する地名の統一を目的に1947年に設立された米国政府の一機関である。同委員会で決定された表記方針は、国務省等全ての連邦政府機関を拘束するものであり、政府機関の出版物等は同委員会の表記方針に従った表記を行わなければならず、その他の米国内の機関についても、同委員会で決定された表記方針を用いることが強く推奨されている。

2.米国地名委員会は、「Sea of Japan」(日本海)が、当該海域について同委員会が認める唯一の公式的な名称であることを正式に決定した上でその旨を公表しており、米国すべての連邦政府機関は「Sea of Japan」の使用を義務づけており、また、その他の米国内の機関もその使用が強く推奨されている。



5. 世界各国の古地図調査
日本海が国際的に確立した唯一の名称であることは、外務省が行った世界各国の古地図調査でも明らかです。

  外務省の調査の結果、18世紀までの欧米の地図では、日本海のほか、「朝鮮海(Sea of Korea)」、「東洋海(Oriental Sea)」、「中国海(Sea of China)」等、様々な名称が使用されていましたが、19世紀初頭以降、日本海の名称が他を圧倒して使われるようになった事実が確認されています。

これまで外務省の行った古地図調査(*)結果
(19世紀に作成された古地図における当海域の名称の使用比率)

米議会図書館
(調査期間:2004年12月~2005年3月 調査地図数:1213枚)
日本海    87%
・朝鮮海      8%
・東洋海      5%
・東海         0%
・その他      0%

大英図書館及びケンブリッジ大学
(調査期間:2002年12月~2003年6月 調査地図数:58枚)
日本海    86%
・朝鮮海    14%
・東洋海      0%
・東海         0%
・その他      0%

仏国立図書館
(調査期間:2003年10月2004年~1月 調査地図数:215枚)
日本海    95%
・朝鮮海      3%
・東洋海      0%
・東海         0%
・その他      2%

(*)調査地図は、日本海海域に何らかの名称が記載されているものを対象。



※詳細は下記ソースよりご確認ください。



【ソース】外務省:日本海呼称問題 平成29年6月7日

Wikipedia

検索結果