農林水産省は、農薬の使用に伴う事故及び被害のより効果的な再発防止策の策定を目的として、厚生労働省と連携して、農薬の使用に伴う事故及び被害の実態を把握するための調査を毎年度実施しています。今回の調査では、平成29年4月から平成30年3月までに発生した農薬による人の中毒事故、農作物・家畜等の被害を調査の対象とし、全都道府県に情報提供を依頼しました。
平成29年度の調査の結果、農薬の使用に伴う人に対する事故や被害は、前年度の19件に対し、21件(うち死亡事故は1件)でした。原因別では、農薬散布時のマスクやメガネ等の防護装備が不十分であったため生じた被害や、飲料の空容器に移し替えた農薬を誤って飲んだ事故が多く発生しています。また、農薬散布液の飛散により、健康被害が生じた事例も報告されています。
また、農作物・魚類等の被害は16件ありました。うち、不要になった農薬を河川等に廃棄したこと等による魚類への被害が13件発生しています。
2.調査結果
事故等の対象 | 件数 | 主な原因 |
人 | 21件 | ・農薬の散布時にマスクなどの防護装備が不十分だった(6件) ・農薬をペットボトルやガラス瓶等の飲料品の空容器等に移し替えたり、食品と同じ場所で保管したりする等、不適切な保管管理であったため、誤飲した(6件) ・周辺住民等への農薬散布の周知、農薬の飛散防止対策が不十分だった(2件) |
農作物 | 3件 | ・農薬の飛散防止対策が不十分だった |
魚類 | 13件 | ・農薬を河川に廃棄し、河川水から農薬の成分が検出された ・因果関係は明確ではないが、農薬の成分が河川及び斃死魚から検出された |
※詳細は下記ソースよりご確認ください。
【ソース】農林水産省:平成29年度農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況について 平成31年2月15日