2019/02/21

【財務省】「スリランカは中国に港を取り立てられた」 麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(平成30年5月4日(金曜日))

【質疑応答】

問)
  今も御説明ありましたが、質高インフラ環境成長ファシリティ、JBICの取り組みについて、改めて大臣として期待されること、どういうことがあるのか教えてください。

大臣)
  今アジアというのは経済が急激に伸びてきていますから、それに伴ってインフラストラクチャというものの社会資本整備というものが各国において極めて需要が高い、これははっきりしています。それに当たって我々は資金が必要なことになるのですが、その資金を例えばADBとかいろいろな形でそういったものを支援するに当たって、我々はインフラが必要なのはわかるけれども、そのインフラの内容をよく検討してもらいたいと。例えばカンボジアのお札を見てもらったらわかるが、そのお札の後ろ側、橋がかかっているはずです。その橋は日本がつくった橋です。つばさ橋というのです。何でこんなものがなるのかというと、日本の橋は洪水が来ても流れない。したがって、これが最も信頼がおける橋だということになって、その橋がお札に印刷されるほどになりました。これは1つの例です。単に橋が落っこちないという話じゃなくて、そのおかげで経済活動も途中で途切れることなく、いろいろな意味で非常に意味があるということになっています。

  また、道路をつくったはいいけれども、3年もすればガタガタになって壊れることがある。日本の橋は、日本の道路は、いろいろなことがあっても壊れない。技術の違い、またそれに当たった施工するときの、いわゆるきちんとやるのか、いい加減にやるのか、手抜き工事か、手を抜いていると思っていなくてもレベルが低ければ手を抜いたことと同じことになりますから、そういったことの違いというものをきちんとしないと、できたはいいけれども、何もできません、意味がないじゃないですかというのが1つ。

  もう1つですが、インフラは、ローンで借りてつくります。一番有名になったのは多分スリランカだと思いますけれども、あそこの港というのは極めて良港、いい港です。水深が深いから。対岸のインドの方は7~8メートルしかないと思うけど、ここは20メートル近くあると思います。そういった意味では極めていい港。その港にいろいろな護岸の設備やら何やらというのでやりました。お金を借りてつくりました。金利6.5%。今どき6.5%なんて考えられないけれども、6.5%で借りて、その金がたまりにたまって払えませんということになって、結論、その土地はお金を貸した方がリースで借りる形にして、その金を返済していく形にしたのです。しかし99年間。租借したわけです、簡単に言えば。最初から金融、金を借りるときのファイナンスの能力がないところにそういう貸し方をすれば、どういうことになるか、それを意図的にやったわけではないのかもしれないけれども、結果としては、それは中国が租借したことと同じことになるという例です。これは世界中で話題になった話。ほかにも幾つもありますよ。ジブチとかスリランカなど。我々のインフラストラクチャというのはきちんとやって、ちゃんと、おたく、それ、やりたいのはわかるけれども無理ですよと。まずはここから始められて、それから少しずつ少しずつやっていかないととても無理ですよというのが我々のインフラストラクチャの意味。

  質の高いインフラというのはその設備自体プラスこちらのファイナンスの点も合わせて考えていってもらいたいというのが質の高いインフラという意味で、それを我々は言い続けたのですけれども、3年して何となく、中国でも質の高いインフラだとか最近言い始めたから、意味がわかっているのと思いながらも聞いていますけれども、この前から言うようになりましたから、この言葉が少しは定着しつつあるのかなという感じがしないでもありません。



問)
  ADBの関係で大臣にお伺いしたいのですが、ADBはアジアインフラ投資銀行、AIIBとの協力融資を進める姿勢を鮮明にしております。これに関して大臣のまず見解、それから日本はAIIBに加盟するかどうかといったところの大臣の見解をお聞かせください。

大臣)
  ADBは今資金的に見ても、少なくともアジアのいろいろなインフラストラクチャの要望に対して応えるだけの資金の絶対量があるか。2つ目、その資金の裏付けが仮にあったとした場合に、そのインフラのプロジェクトは投資対象に値するかと。アジア開発銀行というのは確実に投資をやってきているところなのだけれども、そこが見てきちんとしたものが、やってもいいという案件だけど、キャピタル、資本がない、資金がないということになった場合、AIIBと一緒になってやろうという話は全然おかしい話ではありません。AIIB自身は、我々が言っているのはAIIBの常設の常務理事会とか、理事会とか、そういったものがありますか。ないでしょう。常設していないのだから。そこに現在ない。我々もこのアジア開発銀行をつくったときは、51年前につくったのですが、日本でつくらず、フィリピンでつくったのですから。AIIBも北京以外のどこか別のところでつくれば話は別です。だけど、自分でやって、自分の国でやって理事会は置いていないということに関しては、ちょっとどうですかと。お金を貸すというのはちゃんとノウハウが要りますから。金を貸すというのは取り返さないといけないわけだから、金利取って。その取り返し、お金を返してもらわないといけない。これは単なる、お金をあげるわけではありませんから。融資するのだから。融資した以上はちゃんとそれについて金利を取ってリターンをということになったときには、それはノウハウがおありですか、おたくはと。やってみてくださいと。それを見た上で、理事会もやって、透明性も確実にしていただいた上で我々がいいというのだったらよろしいですと。ただ、そういう能力がないのだったら、少なくとも我々から見てADBと一緒になっていろいろな案件に、じゃあうちもというのでやられるときに、一緒にやられるならどうですという話を我々が申し上げているのであって、私共はAIIBというのがどういう形で今から訓練をされて、いろいろな意味で経験をされるか、それによっていろいろな対応は違ってくるのでないでしょうか。

問)
  加盟すべきかどうかという議論は。

大臣)
  日本がですか。だから向こうがそういったものがきちんとできるようになった段階で考えます。



※詳細は下記ソースよりご確認ください。



【ソース】財務省:麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(平成30年5月4日(金曜日))

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