2019/04/16

【消費者庁】「好転反応」という用語は、日本医学会が監修している医学用語辞典に記載はありません 平成26年12月10日

1.消費者事故等の情報

(1)消費者事故等の情報の概要 

  消費者庁には、美容・健康商品等により健康被害が発生した後も、継続利用を勧められ、実際に継続利用したところ、症状が持続・悪化したという消費者事故等の情報が100件寄せられています。

(継続利用を勧める典型的な例)
「症状が発生するのは、好転反応(回復に向かう過程の一時的現象)なので、我慢してください。乗り越えれば良くなります」
「今悪いものが出ているので、そのまま飲み続けるように」
「それは毒が出ている証拠です」

  いずれも、美容・健康等に関する機能性をうたう商品を販売する事業者等、又は役務を提供する事業者等が、消費者に対して、美容・健康商品等の利用に伴う症状に関し、継続利用を促す説明です。

  また、このうち、96件は、実際に健康被害の症状が現れた後に、事業者等から継続利用を勧められたものであり、4件は、実際に健康被害の症状が現れる前から「仮に症状が発生しても継続利用するように」と促されたものです。

  このように継続利用を促すことは、当該事業者等が、販売や役務提供に関連して実施するものであり、健康被害の症状が持続・悪化した場合、当該販売や役務提供の消費安全性を欠いていることが疑われます。(ただし、いずれも消費者からの相談情報であり、消費者庁として、美容・健康商品等と症状の因果関係を確認したものではありません。)

  「好転反応」という用語は、日本医学会が監修している医学用語辞典に記載はありません。

(2)消費者事故等の件数 

  美容・健康商品等を利用後に健康被害が出た際に、事業者等から「好転反応」等と称して継続利用を勧められたという事例が、平成21年4月以降、平成26年10月末日までに、事故情報データバンクに339件寄せられています。そのうち、半数以上は、症状が出たので不安になり利用を中止したり、消費生活センター等にどうしたら良いか相談しています。

  しかし、事業者等の言葉をそのまま信じて利用を継続し、症状が治まらない、悪化したといった事例も100件発生しています。

(3)消費者事故等の内訳 

  健康被害発生後に継続利用を勧められた例と、そのうち継続利用し症状が持続・悪化した例を、商品・役務別にみると以下のとおり。

  商品等の購入経路を見ると、知人等から購入、無料体験会等の後に購入、美容エステサービスを受けた際に購入等の例が多く見られます。

原因 主な症状 全事例 継続例(内数)
化粧品
(医薬部外品を含む)
発疹、腫れ、炎症 等 76 33
健康食品  下痢・吐き気等の消化器障害、発疹等の皮膚障害 120 32
健康器具
(マッサージ器、美顔器、布団等)
発疹、頭痛、めまい、不眠 66 23
エステティックサービス
(痩身エステ、化粧品等を利用した美容エステ)
発疹、あざ、倦怠感 47 8
その他
(整体、カイロプラクティック、アロマオイル等)※
発疹、あざ、倦怠感、胸やけ、吐き気 30 4

330 100

※化粧品・健康食品のセット販売も3件含まれています。

(4)消費者事故等の事例 

【事例1】化粧品を購入し、使用していたら、ニキビが出たり、痒みや痛みも出てきた。販売員に症状を訴えたが、「大丈夫、良い化粧品だからニキビが出る。今はデトックス効果で悪いものがでている」等言われ、信用して使い続けた。しかし症状が改善されず、医師の診察を受けたら、化粧品負けが原因と言われ、薬を処方された。
 (事故発生年月:平成25年11月、20歳代女性)

【事例2】CMでアトピーでも使用できる、アレルギー学会でも承認されているという内容を見て化粧品を使用したところ、肌がボロボロ剥がれてきたので、業者に相談したところ、好転反応と言われたためそのまま使用を継続した。何か月経っても症状が治まらず毛穴が開いた状態になった。さすがにおかしいと思い、皮膚科を受診したところ、かぶれによる発疹と言われた。
(事故発生年月:平成26年4月、50歳代女性)

【事例3】電話で勧誘があった化粧品店に行き、高価な化粧品を買ったが、しばらく使うと発疹が出た。店舗に電話すると「最初は悪いものが出ているので、そういうこともある」と言われた。その言葉を信用して更に使い続けたところ発疹が悪化した。使用をやめると1週間でだいぶ治まってきた。
(事故発生年月:平成26年6月、50歳代女性)

【事例4】ネットワークビジネスを通じて購入したダイエットのための健康食品を飲んだら、おう吐とめまいを感じたので、購入した会員に相談すると「3~4か月間飲み続けると結果が出る。好転反応だ」と言われた。その後も飲み続けたら、むくみ始め寝込んでしまった。
 (事故発生年月:平成26年6月、50歳代女性)

【事例5】知人に勧められた健康食品を飲んでいたが、身体に湿疹ができた。知人に伝えると「身体から悪いものが出ているので、そのまま飲み続けるように」と指示された。しかし治るどころか湿疹は顔まで広がり全身に及んだ。病院で診察を受けたところ、原因は健康食品によるアレルギーと言われ、飲むのを止めたら治まってきた。
(事故発生年月:平成26年7月、50歳代女性)

【事例6】以前から続いている耳鳴りが治るのではとの思いから、電位治療器の無料体験に通い、その後購入した。使用すると指先に痒みを感じ、担当者に症状を伝えると、「好転反応だから使用し続けて」と言われた。その後1週間使用し、症状は指先から体中へ広がり使用を止めた。体調不良に困っている。
(事故発生年月:平成24年4月、70歳代男性)



3.消費者の皆様へ

(1)新しく美容・健康商品等を利用する際は体調変化に注意し、健康被害が発生した場合は利用を一旦中止して、医師に相談しましょう。

  新しく美容・健康商品等を利用した際に不快な症状が発生した場合、当該商品やサービスによる健康被害を疑いましょう。また、原因不明の症状が出た場合は、それら美容・健康商品等の利用を一旦中止して医師に相談しましょう。

(2)健康被害が出ている際は事業者等の「好転反応」、「毒素が出ている」等の説明をうのみにしない。

  これらの説明を事業者等が行う場合は、利用を継続させるためのセールストークである場合もあります。症状が出ている際は事業者等の説明をうのみにしてはいけません。

  美容・健康商品等と関連のない身近な人、消費者センターや医師に早めに相談しましょう。



※詳細は下記ソースよりご確認ください。



【ソース】消費者庁:2014年12月10日 健康被害発生後も継続利用を勧められる美容・健康商品等 ~「好転反応」等といわれても、健康被害が出たら利用を一旦中止しましょう!~
【ソース】消費者庁:消費者への注意喚起 2014年度

Wikipedia

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