平成30年に全国の税関が摘発した金地金*密輸入事犯の件数は1,088件(前年比約20%減)、押収量は2,119kg(前年比約65%減)でした。摘発件数、押収量ともに減少傾向にあり、手口も小口化傾向にあります。
* 金地金には、金塊に加えて一部加工された金製品も含む
過去10年間の摘発状況
摘発事例は全国にまたがっており、大規模空港のみならず地方の海港・空港(清水港、宮崎空港等)でも摘発。金密輸入に対しては、全国の税関で取締りを強化し、厳正に対処しています。
摘発件数(件) | 押収量(kg) | |
H21 | 27 | 214 |
H22 | 15 | 92 |
H23 | 17 | 63 |
H24 | 18 | 79 |
H25 | 12 | 133 |
H26 | 119 | 449 |
H27 | 465 | 2032 |
H28 | 811 | 2802 |
H29 | 1347 | 6277 |
H30 | 1088 | (注)2119 |
(注)平成30年の押収量は速報値
密輸形態別の摘発状況(H30)
摘発した事犯を密輸形態別件数でみると、前年は航空機旅客等による密輸入が全体の9割以上であったのに対して、平成30年は、航空機旅客等が約6割にとどまる一方、航空貨物が3.5割を占め、密輸形態が多様化しています。
密輸形態 | 摘発件数(件) | 押収量(kg) |
航空機旅客等 | 653 | 1876 |
航空貨物 | 390 | 219 |
国際郵便 | 36 | 9 |
船員等 | 8 | 14 |
海上貨物 | 1 | 0 |
合計 | 1088 | 2119 |
(注)航空機旅客等には航空機乗組員を含み、船員等には船舶旅客を含む。
海上貨物の押収量はkg未満であることからゼロ表示となる。
密輸形態別の押収量は各々端数処理を行っているため、全てを合算しても合計の押収 量の数値とは一致しない。
密輸仕出地別の摘発件数(H30)
密輸仕出地別にみると、香港、韓国、中国の順に摘発件数が多く、上位3か国・地域で全体の約8割を占めました。特に、中国からの密輸入が増えている状況(前年比7倍)です。

告発事例
平成30年4月10日施行の改正関税法による罰則強化後の告発事例として、平成30年7月、横浜税関は台湾から金地金約1.6kgを密輸しようとしたとして台湾人他2名を宇都宮地方検察庁へ告発、同年9月、門司税関は韓国から金地金約3kgを密輸しようとしたとして韓国人3名を宮崎地方検察庁へ告発しました。今後も、金密輸入に対して厳しく対応していきます。
※詳細は下記ソースよりご確認ください。
【ソース】財務省:金密輸対策 > 平成30年の取締り状況