【質疑応答】
問)
16年度予算はでき上がったのですけれども、財政事情は依然厳しいというのは大臣が御指摘になったとおりです。国民に痛みを伴う歳出改革を行っていくためには、やはり政治の主導力というものが不可欠になってくると思います。財政を預かる財務大臣は、時には憎まれ役になるということも必要だと思いますけれども、今後も財務大臣として職務を続けていくに当たって自らの御使命というものをどういうふうにお考えでしょうか。
答)
先程のデフレ不況の脱却に最も貢献した高橋是清という方は、その後インフレになっていった時にもう1回大蔵大臣を要請されて、今はデフレではなくインフレ対策なのですと言って予算を切った。予算を増やすのではなくて予算を切った。結果として昭和11年、2・26事件で暗殺。その前、国際金融に一番詳しかった井上準之助さんも同じく5・15事件の前段階のテロで暗殺。この世界で長くやっていれば常につきまとうものなのだと。別に財務大臣に限らないと思いますけれども。大きな決断をした結果、世の中の、ということはよくある話なのだと思いますので、日本はそういった例があまりない方の国だと思いますけれども、それなりの覚悟がないと財政再建というものは、景気と連動させつつ、回復させつつというのをやろうとするとなかなか難しい綱渡りですから。
ただ、日本の場合の最大の強みは国債を自国通貨で発行しているということでしょうね。したがって、日本の国債を他の国債とは一緒にしてもらっては困るので、ギリシャと同じだとか言っていた方も昔いましたけれども、そんなことは全然違うので、是非そこのところも頭に入れて、国際金融の中における日本の地位の高まりというのは極めて大きなものなのだと、これはこの3年間で一番感じるところですかね。今後とも日本としてはちゃんと財政を健全化していくという意欲をきちんと持ち続けているという姿勢は大事にしておかなければいけないのだと思います。
※詳細は下記ソースよりご確認ください。
【ソース】財務省:麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(平成27年12月25日(金曜日))