【質疑応答】
問)
先程G20の話がありましたけれども、世界経済について議論があると思います。中国経済が弱くなっているという見方から新興国を中心に今後経済が厳しくなるのではないかという見方が広がっていますけれども、大臣の世界経済の現状認識について教えていただけますでしょうか。
答)
世界経済全体、中国の場合が我々日本にとっては世界の193カ国で見ますと最大の貿易相手国、いわゆる輸出入の相手国としては今中国が一番ですから、その経済がどうなるかというのは日本の経済にとって大きな影響があるということは確かです。ただ、よく経済記事を見ていると日本は貿易立国と書いてありますが、日本のGDPの中に占める貿易というのは今すごく大きくなったと言って15%程度だからね。ついこの間まで10%だから。残りの90%は内需ですよ。30%、40%いっているドイツとか中国とかというのは貿易立国と言われるのかもしれないけれども、日本の場合はそれに当たらないという大前提を置いておかないと中国との付き合いで具合が悪くなった途端に日本の経済が具合悪くなるなんていう構造では日本の場合はない。だからそこのところをまず大前提に置いた上で、日本の場合はヨーロッパの経済が少なくとも今のギリシャの話でふらふらしてみたり、いろいろ状況が影響しているとは思いますけれども、ドイツがかなりの部分で中国経済と関係を深めていますから、中国の具合が悪くなったらドイツに影響が出てくると。それは、ひいてはヨーロッパ経済に大きな影響を与える確率は極めて高くなってくるのだと思いますね。アメリカの場合は雇用やら何やら確実に今良くなってきてはいるというように数字の上ではそうなっていますけれども、簡単にそれほどいくかなという感じはします。ただ、労働賃金等、良くなってきて確実に増えてきていますから、そこのところはアメリカの経済の方がヨーロッパに比べれば緩やかながら回復傾向にあるのだと思いますので、日本の場合は少なくとも、4-6月期の数字を見ても、この間、過去最高の経常利益を出していますし、いろいろな意味で日本の場合は確実に内容が良くなってきているということは確かだと思います。こういったようなものにどれぐらいの影響が出てくるかというのは、常に他国のことを気にしておかなければいけないとは思います。
日本の場合は、この間まで328兆円と言われていた内部留保がさらに増えていますが、増えてきている内容が今までと違って、304兆円から328兆円まで24兆円増えたという去年に比べれば、少なくとも設備投資も比例して増えている、給与も増えている、従ってそういった意味では今回の方が前回に比べれば、企業は得た利益を確実に賃金もしくは設備投資に回しているというのは数字としては良い傾向だと思っています。しかし、間違いなく内部留保がさらに増えてきているという状況というのはまだまだ経営者の意識として給与とか設備投資等にもっと積極性が出てきてもおかしくないのではないかなと思っています。そういう積極性が出てくれば、日本が経済というものにきちんと対応しているというのを示せる形にはなると思います。
※詳細は下記ソースよりご確認ください。
【ソース】財務省:麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(平成27年9月1日(火曜日))