2019/01/25

【防衛省】防衛大臣記者会見概要 北朝鮮と韓国の瀬取り 平成30年5月15日

Q:「瀬取り」についてですけれども、今月3日に、東シナ海の公海上で北朝鮮船籍のタンカーと韓国船籍のタンカーが横付けしているのが確認されたということですけれども、「瀬取り」の疑いもあるということですが、南北首脳会談後のこの時期に、こうした行為を行ったことについてどう分析されているのか、また、どう対応されていくのか、また、韓国側からこれまでに何か回答はありましたでしょうか。

A:国際社会が連携して、いわゆる「瀬取り」を含む北朝鮮による「制裁逃れ」への対応強化に取組んでいくことは、国連安保理決議の実効性を一層高めるものであります。こうした観点から、自衛隊においては、平素実施している警戒監視活動の一環として、国連安保理決議違反が疑われる船舶についての情報収集を行っております。このような中、5月3日、北朝鮮船籍タンカーと韓国船籍の船舶が、東シナ海の公海上で横付け、接舷していることを、海上自衛隊第1海上補給隊所属の補給艦「はまな」が確認をしたため、関係省庁と情報を共有いたしました。政府として総合的に判断した結果、国連安保理決議で禁止されている「瀬取り」を実施していた可能性が排除されなかったことから、わが国から韓国に対し、速やかに通報するとともに、調査を要請いたしました。これを受け、韓国においては、韓国船籍の船舶に対する調査が行われ、韓国船籍の船舶による違法な「瀬取り」の事実はなかったという確認があった旨、韓国政府から日本政府に対して通報がありました。いずれにしましても、わが国としては、北朝鮮の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの廃棄の実現に向け、国際社会が一致団結して、国連安保理決議の完全履行を含む北朝鮮に対する圧力を維持する観点から、引き続き、関係国と緊密に協力をしてまいりたいと思っております。



Q:「瀬取り」の件で、今、韓国側からは違法な「瀬取り」の事実はなかったという回答だったとおっしゃいましたけれども、横付けはしていたけれども「瀬取り」はないというのは、物資の積み替えはしていなかったという意味なのか、どういう意味で言っているのでしょうか。

A:まず、私ども確認したのは、公海上において北朝鮮船籍と韓国船籍の船が接舷をしていたということ、これはいわゆる「瀬取り」の疑いがあるということを私どもは確認をしております。それをもって韓国側に確認をした中で、韓国側が、この当該船舶に確認をした時に「瀬取り」をしてはいなかったという報告があったということでありますので、私どもとしては外交ルートを通じて、その報告を受け取っているということであります。



Q:「瀬取り」ではなくて、別の目的で接舷していたとか、何かプラスアルファの詳細の説明はあったのですか。

A:そこはありませんが、通常、公海上で接舷するというのは普通ではないと思います。



Q:通報というのはいつあったのでしょうか。

A:詳細は後で御報告させていただきます。(※)

※ 後刻、「韓国側の調査結果については、外交ルートを通じて日本側に通報がありましたが、具体的な時期等外交上のやりとりの詳細についてはお答えを差し控える。」旨回答。



Q:日本としては、国連安保理の制裁関連の協議では、報告は今回はしないということでしょうか。

A:まず、私どもとしては、例えば接舷していたけれど具体的にどうなのかということを今回は韓国船籍でありますので、そこは私どもは可能性ということで韓国側に確認をしたということであります。韓国側は「瀬取り」の事実はなかったと言っております。いずれにしても総合的に判断して、今回はこの事象を国連安保理には報告をしてないということを承知しております。



Q:公海上で接舷をするということは、通常、大臣がおっしゃるとおり考えられませんが、この点、例えば何をしていたのかということを韓国側に更に確認を求めるのでしょうか。

A:これは、韓国側からは詳細な報告はないということですが、あくまでも「瀬取り」はしていなかったというのが韓国側からの主張いうことになります。



Q:国際的な「瀬取り」の監視網の足並みの乱れということでは全くないということで理解してよろしいでしょうか。

A:私どもは、そのようなことはあってはならないと思っております。



Q:「瀬取り」の疑いは否定できないという政府の立場は変わらないということですか。

A:私どもとしては、公海上で接舷するということは、これは普通ではありません。ただ、韓国側は当該船舶に確認したところ、「瀬取り」の事実は確認されていないということでありますので、そのようなことなのだと思います。



Q:物資の積み替えをしたことに伴う、船体の浮き沈みはなかったという情報もありますけれども、未遂だったことをもって、韓国側としては、やっていないんだと言っている可能性もあるのでしょうか。

A:そこは分かりません。韓国側はあくまでも、「瀬取り」の事実は確認されなかったということだと思います。



Q:現状、韓国政府からの返答は、当該船舶からの供述ベースということになると思いますけれども、日本政府から更なる対応を求める考えはありますか。

A:これはむしろ、外交ルートで外務省が担当することであると思います。



【ソース】防衛省:防衛大臣記者会見概要 平成30年5月15日(08時45分~08時55分)

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