【質疑応答】
問)
今回の文書改ざんについての大臣の御認識を改めて伺えればと思います。先日、出張先のカナダのウィスラーでの現地時間2日の記者会見で、組織的ではないという認識を示されています。ただ、今回の問題は指示系統があって処分対象者が多数に上っていることを考えると、組織ぐるみではないかというような見方もできるかと思うのですが、大臣の認識を改めて教えてください。
答)
まず、最初にウィスラーでの記者会見で同様の質問がありましたので、同様の答えをしていますから、そこでも組織ぐるみではないという発言をしていないので、御社の記者がそれを聞いておられるのか、通信社からそれを受け売りで言っておられるのか、そこは知りませんけれども、その答えとは内容が違っておるということを最初に申し上げております。
まず、最初に文書改ざんなどの問題については、国有財産行政の責任者であった当時の理財局長が方向性を決定づけ、そのもとで総務課長が関係者に方針を伝達するなど中核的な役割を担い、担当課長、担当室長が深く関与したと認定をさせていただいております。
財務省において、文書改ざんのような問題がそういった行為が全省的かつ日常的に行われているわけではありませんが、ただいま申し上げたような調査結果を踏まえれば、今回の件は当時の理財局において行われたということを言わざるを得ないのだと考えています。従いまして、関与した職員に対しては厳正な処分を行ったところですが、今後更に財務省の組織として、こうした不祥事を防止するための体制をしっかり整えていく必要があろうというように考えておりますので、これを全力で取り組んでまいりたいと考えております。
問)
今回の文書改ざんをめぐっては、3月に近畿財務局の職員の方が1人亡くなられております。今回の文書改ざんとの因果関係があったのかなかったのか、あったとすれば組織のトップとして、どういうふうに受け止めていらっしゃるのか改めて教えてください。
答)
改ざんを拒否した人、改ざんにいかがなものかと発言をした人というのは、今回調査の中でいっぱい出ました。拒否した人もいるのです。我々の調べた範囲の中で。改ざんをした人もいる。拒否した人もいる。それは色々なのだと思います。しかしそういった中で、今言われたように改ざんに関与したことに、非常に責任を感じてという形で自ら身を絶たれたという方がおられるということは、甚だ痛ましい話なのであって、我々としては極めて残念なことだと思っています。
その上で今申し上げましたように、この種の改ざんに関して、「いや」と言って、これに関与するのを断った人達と、断らなかった、もしくは断れなかった、そこのところは大筋よく分かっているところではありませんけれども、私どもが調べた範囲で、そこに幾つかに差が出てきたことは確かだと思っています。そういった意味で、ぜひこういったものというのは、何となく軽いつもりで罪の意識もなくやったのか、いや、これはやばいのではないかなと思ってやったのか、それはまた人によって違うのだと思います。
だけど私どもにしてみれば、結果としては極めて大きな影響を与えた、結果として文書の改ざんを極めて単純な話と思って、まあまあ、間違えたからちょっと直しておけばいいやと思って、後々重なっていってしまったということかもしれないと思いますけれども、いずれにしても、そういったようなことが起きたということ自体が問題なのだということなのだと思いますけれども、ただ、その一言が結果的に公文書に対する信頼性を失わせる、そういった大きな被害を招いた、影響を与えたというところが大きな問題なのだと、私にはそう思えます。
※詳細は下記ソースよりご確認ください。
【ソース】財務省:麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要(平成30年6月4日(月曜日))