2019/02/19

【財務省】「アメリカの貿易赤字の約50%が中国、中国の対米黒字が延々と続くことはない」 麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(平成30年7月22日(日曜日))

【質疑応答】

問)
  今年リーマンショックから、2008年から10年で、G20のサミットができて10年なのですけれども、貿易戦争と言われるようなことになって結構世の中大変なことになっていると思うのですけれども、G20として機能を果たせたかどうかということについて、麻生大臣のご意見をお伺いできますでしょうか。

大臣)
  10年前からこのメンバーにずっといる人というのは、ほかにおられなくなりましたからね、あの頃、総理していたのですかね、あのときはブッシュ大統領から電話をもらって、G7だか何とかやるという話だったので、いや、全然意味がないと。今そういう時代じゃありませんよと言って、あのときは確か中国と韓国と日本を足したGDPが英・独・仏のGDPより大きいという事実を知っていますかと言ったら、ノーと言うからイエスと言って、どうすればいいんだという話が出たので、少なくともアジアから例えば中国とかインドとか韓国とか、あとはオーストラリアとかというのを加えて会議をしないと意味がないということを言って、結果的に20になったのですけれども、これで大体GDPでいくと、世界のGDPの約8割弱をカバーしているのだと思いますけれども、あのときの話と今とは主題の内容が、クレジット・クランチ、金融収縮、あのときはクレジット・クランチの話だったのが今はそういう話はなくなって、話の内容の主題が金融から貿易みたいなものに移っている面というのは大きいと思いますね。最近、為替が少し上がったり下がったり、アメリカ大統領の発言によって上がったり下がったりしている部分がないわけじゃありませんけれども、その部分の話よりは貿易摩擦の話の方が大きくなってきているので、この財務大臣会合じゃなくて、むしろ経済産業省、貿易担当の話の部分の方が、少なくとも今の段階では大きいような気がしますけれども、いずれにしてもG20のメンバーの中でこういったものが主にやれるので、我々が担当する金融とか経済というのではなくて、貿易とか通商とかそういったところの大臣でできますので、G20という枠組みとしてはそれなりに対応できるようになっているのだと思いますけれどもね。



問)
  麻生大臣にお伺いしたいのですけれども、これまでの貿易摩擦とか通商問題が起きているときというのは、大体においては経済があまりよくないときとか、不況の国がそういう問題を提起しやすいと思うのですが、今回アメリカ経済が力強い中でこういう通商問題が起きていて、この後、何をきっかけにこの問題が解決に向かうのか、なかなか想像しにくいところもあるかと思うのですが、そういう中での方向性とか、G20が果たす役割をどういうふうにお考えなのか、お考えを教えてください。

大臣)
  少なくとも保護貿易というようなイメージにつくってあるけれども、そうですかね。保護貿易という形になっているのかといえば、アメリカが主張しているのは、アメリカの貿易赤字の約50%が中国、アメリカ全体としてはずっと貿易収支は赤ですから、この貿易収支がずっと赤のままでいるのは耐えられないということを言って、しかるべき対応を何とかしろと。今から30年ぐらい前の1980年代を比べてみれば、あの頃のアメリカの貿易赤字の47%は日本。結果として今、その日本の赤は9%前後になっていますね、アメリカの貿易赤字の全体の中で占める量ですよ。日本、メキシコ、ドイツかな、その3国ぐらいが大体9%前後で、あとはアメリカの貿易赤字で一番でかいのは中国の約50%、当時の日本より大きなものになっているのだと思いますから、その意味では基本的にいつまでも赤のままでずっといられないというのは、言っている言い分は正しい、しかるべき対応で何とかしたいというのはわかりますけれども、その二国間だけで対応できるかねといえば、なかなかそんな簡単にいく話じゃないので、全ての国とバイで全部やっていって、全部黒にするなんてことは考えられないので、全体でマルチに話をしないとできないのだという形は基本的な考え方としてみんな持っているのだと思いますし、また自由貿易というものを日本が主張してこれまで来ましたし、それなりに日本は貿易を黒字にするまで長い時間かけてやってきて、当時、自動車障壁とかいろいろなことを日本はそれなりにやって、日本もいろいろ貿易を黒にするために日本の産業を保護する等のことはやってきた、その結果として我々は競争力を高めてきた上でだんだん貿易を自由化していくという、我々にとっては少なくとも日本が貿易として生き抜いていくためにはきちんとした手続きを、いろいろ80年代からアメリカとの間で延々と通商交渉をやってきて今日がある。じゃあ中国はこれから同じような努力をするのかというところが今一番問題なのですよ。当時のアメリカに対する自動車の輸出というものに比べて、今はアメリカの国内でつくっている日本製の、日本人がつくったアメリカ製の車、アメリカ製トヨタとかアメリカ製日産とか、そういったものがアメリカからトヨタとして日産として輸出している車の数等が猛烈に増えて、アメリカの貿易にえらい貢献しているというような構造改革を全部やってきていますので、それと同じように中国もこれからやっていくのかどうかというのがこれからのアメリカと中国との間の交渉なのであって、それが今から行われるというような形になっているのであって、決して悲観しているわけでも何でもないので、中国がそういった努力を今後されていかないと中国だけの黒字というのが延々と続くということは、それは期待しない方がいいですなということだと思います。



※詳細は下記ソースよりご確認ください。



【ソース】財務省:麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(平成30年7月22日(日曜日))

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