【質疑応答】
問)
いろいろ保護主義が取り沙汰される反対側として、中国の経済改革がなかなか進んでいない、中国はやるとは言っているけれども、という状況があると思うのですが、中国の改革のスピード感について、麻生大臣はどのような認識をお持ちでしょうか。
大臣)
中国の場合は、過剰生産、過剰投資等いろんなものが過剰なために、世界経済に混乱を与えているというのは事実だと思います。一番わかりやすいのは鉄鋼だと思いますけれども、中国の生産能力が12億トンで、中国の需要が約8億トンですから、日本は1億トンの能力があり、インドにしてもフランスにしてもそれぞれ生産しているところ、中国一か国で12億トンも作れる生産能力を持っているがために、それを売るために、結果としてダンピングという形になっているという状況は、自由といえば自由ですけど、それには自ずと限度というものがあるということだと思いますので、過剰生産によって中国自身も極めて厳しい状況になってきているのが事実なのだと思います。
もう一つ言えば、中国の中でシャドーバンキングなんて言葉が作られましたけれども、過剰融資等とかを招いているという今の状況というのは、バブルというのが出来ているわけですから、それによって少なくとも中国の金融が極めて脆弱であるということもはっきりしていますので、そういった意味では中国政府も、取り締まりや何やらを強化しようとしているけれども、その結果として中国経済の経済成長が落ちる、事実落ちていますけれど、それをカバーするために、政府が介入して、政府の支出によって、政府が財政出動することによってそのGDPの落ち方を少なくとも止めようとしている結果は、さらに政府の支出が増えるということですから、そういう意味ではなかなか進めにくい、進もうという意思があってもなかなか進んでいかないというのが中国のおかれている現状だと思います。そういった意味では、今中国として、どうやってハンドリングするか、厳しい状況にあるだと理解しています。
※詳細は下記ソースよりご確認ください。
【ソース】財務省:麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(平成29年4月21日(金曜日))